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橋本忍記念館と「手をつなぐ子等」

 日曜日まで、横浜からはるばる兵庫まで「橋本忍記念館」に行ってきました。姫路駅から播但線に乗り換えて30分、甘地駅の最寄りです。

 橋本忍氏は、日本映画の脚本家で、個人的には邦画ナンバーワンの「日本沈没」(無論旧作)の脚本でもあります。

 記念館自身は、過去の作品のシナリオとかトロフィーとか置いてあるだけなので、すぐに見終わってしまうものなのですが、「橋本忍 人とシナリオ」の復刻本がこの記念館だけで販売されているということなので、わざわざ新幹線で出かけていった次第です。

 記念館には、過去の作品のビデオ鑑賞も出来るコーナーもあるので(町立図書館と併用)、横着せずに是非とも足を運んで欲しいところです。

 ビデオコーナーには「砂の器」「切腹」などの過去の名作も見られますのですが、橋本忍氏の推薦映画というのもあります。そこで「手をつなぐ子等」という作品があったので鑑賞してみました。

「手をつなぐ子等」は伊丹万作氏(橋本氏の師に当たる)の脚本で、特殊児童研究家の田村一二氏の原作を映画化したもので、障害児童を題材にした映画です。

 映画は昭和12年のお話で、今で言う知的障害児童の中山寛太が、学校の授業について行けずに転校を繰り返し、松村訓導という先生のいる学級に転校してくるところから始まります。ここでの松村先生の台詞が素晴らしい、

「中山君は、脳を患った、かわいそうな人である。しかし馬鹿にしてはいかん。中山君に親切に出来るかどうか、それは我々の義侠心が試されているということだ」(このままの台詞ではありません)

 級友達は、寛太を馬鹿にすることも無く積極的に勉強を見てやり、学校嫌いの寛太も学校が好きになります。そこにもう一人特異児童が転校してきます。山田金三という悪童で、通称山金は寛太をいじめます。しかし先生や級友に励まされて着た寛太は、少しずつ自分の得意なことをみつけていて、山金のイジメにも応えなくなっています。松村先生は乱暴者の山金をしかりつけるでもなく、ただ見守るだけ。果たして松村先生の指導は正しかったのかのでしょうか? 

 ~といった内容。物語の結末は自分の目でお確かめ下さい。良い映画です。DVDは発売されていないようなので、橋本記念館まで行くのが誰でも見られる手段の一つだと思います。

 この映画で感銘を受けたのは「義侠心が試されている」という言葉で、現在のいじめ問題をひっくり返す重要なキーワードだと考えています。映画を見てガツンと一撃喰らった瞬間です。

 凄惨な秋葉原の事件の犯人には、まったく同情しません。しかし、その凄惨な現場で民間人にも関わらず救助に奔走した人達の尊さは、この言葉に近い物だと考えています。

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