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大決戦!超ウルトラ8兄弟(ネタバレ)

 ウルトラマン映画としては、1.2を争うぐらいの出来です。

 今回は、かなり大人の観客を意識したようで(前回のメビウス映画の旧ウルトラ兄弟の登場が好評だったため)、昭和ウルトラ世代を意識した物語作りがなされています。

 パラレルワールド物と言うより、メタフィクション的な色合いが強く、「ウルトラマンを観ていた子供達」が成長した世界というのが舞台になっています。 本編上「ウルトラマンに憧れること」が「少年時代の憧れ」と定義されていて、少年時代の夢や希望を失った空虚な心には、ウルトラマンは出現しないという流れです。

 主人公マドカダイゴ(ティガの主人公)は、今回普通の市役所役員で、パラレルワールド上にあるティガの記憶を獲得することで、再び変身の力を手にします。 『ウルトラマンティガ』は中興の祖とも言える画期的なシリーズですが、ウルトラシリーズの中ではいまいちマイナーな存在。そのティガが主役となってスクリーンに登場するだけでも、グっと来るものがあります。ティガ変身がこの映画の核とも言えるでしょう。

 一方で、映画としては後半グダグダになります。

  • パラレルワールドは別の世界なので、その記憶を共有したことが、変身の実現となるのは無理がある。(元世界は消失していることになる)
  • パラレルワールドとの接点である、夢の少女がどういう立ち位置にあるか説明されていない。ただの狂言回しである。
  • パラレルワールドからの侵略者が意味不明。
  • 「応援されて奮起する」という精神論で勝つ、安易なクライマックス。

 せっかく前半、大人向けに作ったにもかかわらず、幻想主義的な「ウルトラマンはかくあるべし」という、パワーバランスがすべてをぶち壊しにして、お子様ムービーに転がり落ちてしまいます。

 観客を、映画を初めて観る子供か、光線が出れば喜ぶスイッチ脳ばかりだと思っているのでしょうか。

 前作『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』と同じ巨大怪獣に合体光線というワンパターンなものを見せられて、かなりげんなりしました。

 ドラマとしての評価は、かなり低いですがお祭り映画的には観るべき点が多々あります。地元横浜のご当地ムービーなので、昭和41年の横浜風景や横浜観光名所が片っ端からぶち壊されるので、横浜109シネマズみなとみらいで観て、ランドマークタワーの展望台に行くコースがお薦めです。

 あと、これでもかという小ネタてんこもり。ジャック兄さんネタは爆笑

 プロット的にはがちゃぼこな内容ですが、「楽しい映画」という評価は間違いないのではないでしょうか。

 

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