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『ポニョ』評2(超ネタバレ編)

 いろいろ語りたくなるから、これは良い映画です。

 終わってから話が分からず「?」観客にマークがでたという感想は、複数からでてました。(昔、エヴァンゲリオン劇場版(古い方)観に行ったときはそんな感じ)

 私には「キモくても大好き」というシンプルなお話に思えました。

 数割の人は、この作品のクライマックスが、イザナギの黄泉がえり神話であることに気がついたと思います。イザナギが死んでしまった妻イザナミを想い焦がれるあまりに、冥界までいって連れ戻そうとするものの、その途中でおぞましい死体姿を見て、逃げ出してしまった。というストーリーです、類似パターンはギリシャ神話などにもあります。

 『ポニョ』では、金魚がヒト化した「半魚人でも好きでいられるか」、要するに「キモくても愛せるか」というのがクライマックスの決断です。

 美しい姿に囚われ、ウジの湧いたイザナミに恐怖してしまったイザナギは、死者との離別という意味合いを持ち続けています。

 『ポニョ』はというと、一番人外であった「人面魚」姿から接触が始まってるので、主人公宗介がそもそも恐れるべきところは最初から何もない。加えて、魔法をもった、5歳児には、ファミコン・・・もといゲーム機なんか足元に及ばない、最高のおもしろキャラなので「好き」というのは当たり前なのです。

 この試練にもなんにもなってないことを、物語のクライマックス上の試練とするなら、「ポニョが嫌いになる要素」というのを必ず入れるべきなのですが、その辺無きに等しいので、映画の骨格がまるでできていないように思えます。

 この辺の適当さが、よく分からないという評価に繋がるのではないでしょうか。

 

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