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雷句・シンドローム

 新條まゆさんのところも・・・・

さて、いよいよ業務が動き始める週明けです。

 雷句氏の告発が週末にあったわけです。 今週、物事は沈静化するかもしれませんが、巨大地震ぐらいのパニックに襲われる可能性もあると見ています。

 ひとつは、原稿料問題。

 第一線級の作家が原稿料を開かしたので、相対的に自分は「上に見られているか」「下に見られているか」が明白になります。新人~中堅はさておき、雑誌の看板作家クラスは穏やかではいられません。雷句氏や松永氏が危惧してるのは、「アニメ化されてもこの程度です」と判断基準にされてしまうことでしょう。新人なみの原稿料のまま据え置かれている作家なら、勇気を出して値上げ交渉に臨むかもしれませんが、雑誌予算は有限です。 部数落ち込みで値上げ交渉されてもない袖は振れません。 だからといって貢献が評価されないでは、極端なモチベーション低下に繋がります。

 竹熊氏の著述によると「バブル期に値上げしなかったのが、現在も雑誌が出続ける要因」であると考察されています。 私も同意見で、最初に予算が決まっている以上「反則技を使ってもやりくりする」のが出版側の責任です。少々ムリを飲ませても、単行本収入があるから、作家は努力に応じたリターンがあるというのが、今までの根底でしたが、出版部数がみるみる落ち込んでいる昨今、そういったトリック技も通用しなくなってきています。

 今後、編集部との関係をすでにこじらせている作家が、大量離脱して行くこともあるかもしれません。

 もう一つは原稿返却問題。

 雷句氏のカラー紛失ですが、私は小学館か印刷所の倉庫に、必ずあるのではないかと考えています

 じゃ、なぜ返さないのか? それこそイヤガラセじゃないのか?

 違います。たぶん高確率で探すのが面倒くさいからだと思います。白黒原稿はある程度まとめて保管できるため捜索も用意ですが、カラー原稿は単品でまとめて収められます。サイズもマチマチなので、「カラーのあるどこか」とか、「他人のカラー原稿と一緒にしちゃった」、などが考えられます。そうなると一人の原稿を探すために全社員総出で探さねばならないので、費用対効果で言えば 無くしたことにして予備費から謝罪金を出すのが一番賢いやり方になります。

 一度ない、といったものを後から出すのもかっこ悪いですが、ずさんな管理で汚したり、折れ曲がっていたりしたら、芸術的価値を損なったことには変わりありません。もう出すに出せなくなります。

 出版社側は、作家の原稿返却要求におびえていると思います。探す手間もあるでしょうが、必ず紛失分が出てきます。 手癖が悪い社員やバイトが持ち出したものもあるでしょうが、他人の原稿と一緒にした物は余所の手に渡るので絶対に出てきません。

 返却や、紛失交渉には莫大な予算がかかります。

 結果、利益がなくなり、雑誌が潰れて、単行本が高くなる、という大地殻変動が起きてしまうのです。

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