ミスト(ネタバレ超危険)
もし、これをご覧になってるあなたが映画好きで「ミスト」をまだ観ていないならこの先は読んではいけません。
もし、これをご覧になってるあなたが、映画や創作というものに敬意を持ってるぐらいのレベルで「ミスト」をまだ観ていないならこの先を読んではいけません。
もし、これをご覧になってるあなたが、生涯「ミスト」を観に行くつもりはない。というならその判断は間違ってるので、この先は読んではいけません。
要するに「ミスト」はオチこそすべての映画なので、姑息なネタあさりみたいなことをせずに、ちゃんと映画館で観て欲しいのです。
では感想。
勝手に転載されてるとこに関しては、責任持てませんので
ここから。
ちゃんと観てますよね!
観た方ならやはり、あのラストの話になってしまうでしょう。私は「沖縄戦」の話を思い出しながら観ていました。沖縄上陸戦の末期、追い詰められた日本軍は島民に対し米国の捕虜になるならばと自決を促しています。このことが強要か否かは最近でも問題になっていますが、私は自発的な自決ではなかったと思っています。
援軍の望みもなく、戦うすべもなくなった島民に手榴弾が渡されます。捕虜になり屈辱を合わされるならいっそ、ひと思いに。 手榴弾の爆発力を持っても完全には死にきれない場合もあります。手榴弾すらない島民は短刀や鎌などの農耕具でお互いを殺し合ったとあります。 家族が、知人同士がお互いのために殺し合う。このおぞましさの一点のみにおいても、大東亜戦争が後世に残すべき負の遺産であると考えています。
ミストも絶望が生んだ悲劇の物語です。車内で放たれた4発の銃弾。状況を理解し、愛情があるからこそ撃たれた銃弾。それ故に主人公の慟哭は”もっともおぞましきケモノの咆吼”というラストに繋がります。
これはキングらしいオチだと感心していたのですが、ダラボン監督の脚色だったようです。キング自身も思いついていたら小説のラストにしていたと賞賛するほどで、原作を映画が凌駕した貴重な一瞬とも言えるでしょう。
人間こそがモンスターという描き方は、全編に徹底しています。特に狂信的な宗教おばさんカモーディは、信仰、信心のために生存原則までねじ曲げて、人が人を殺す理屈を発明して、生け贄を求めます。これに対し(すべからくホラーモンスターすべてに言えることですが)生きるために捕食する魔物の類は、最も純粋たる生き物といえます。
秩序は極限になればたやすく崩壊する。ホラーの帝王と言われるキングの持ち味ですが、さらに絶望の先まで描いた「ミスト」は映画史に残る傑作と言えるのではないでしょうか。
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