« ヘアスプレー | トップページ | スーパーメガウェンディーズ »

初音ミクと著作権

 公式なボーカロイドのガイドラインが出たようです

 どうも、シンプルすぎて誤解を招きそうなので私なりに考察。

(引用1)弊社がキャラクター・ボーカル・シリーズのために公開している画像(以下「原素材」)がモチーフとなっている制作物(以下「二次創作物」)については、個人または同人サークル等が、自らの創作により、営利目的ではない趣味の範囲で制作し頒布する場合(中略1)に限り、一切の制限を行っておりません。

 コミケに出展するぐらいですからこの辺はよく分かっていることと思います。コミケで行われているのは定価のついた流通販売ではなく、創作物の頒布なので、オリジナル画素材を流用しない限りはコミケの同人誌売りとか、サイトのファンアートとかはフリーであると考えてよろしいかと思います。

  じゃ?書店売りは?

 はい、この辺からややこしくなります。書店売りを一切認めていないところもあるので、厳密に言えばアウトですが、コミケという狭い場所での頒布は入手格差が発生し、結果的に転売目的購入などで創作者の意図とは違う流通になってしまうので、書店売りは頒布の延長上とも取れるわけです。(この言い分が通用するかは、裁判所でないと分かりません)私が思うだにこれもセーフ。

 上記ガイドラインは禁止行為指定ではなく「(許可内の)一切の制限を行っておりません」なので「あんまり調子こくと制限しちゃうよ」という意味だと思います。ビバ親告罪、素晴らしきは曖昧な日本語ですね。

 引用には中略1が存在します。

(但しゲーム作品を含むプログラム、立体物、衣装を除く)

 多分、かなりの人間がこれ見て真っ青になったのではないでしょうか。要するにゲーム禁、フィギュア禁、コスプレ禁です。たぶん製品権利がどこかに降ろされて、その中の包括契約事項に入っているのではないかと思います。個人の頒布すらも認めていないことになります。これに関してはどこまでOKなのかさっぱり分かりません。

 以下私の私的な考えとして、PC類ですが発生理由から考えて「自ら二次創作した画素材を使った同人ゲーム、フラッシュ、DVD」は慣例として大丈夫の筈なんですが、文言上は完全アウトです。

 フィギュアも同様に、原型師のオリジナル、または二次創作の作者の許可を得た上でワンフェスなどで、限定版権取ったものは大丈夫だと思います。勝手に無限頒布されるのを避けるための制止文言と思われるので、「著作権フリーだと思わないでくれ」と言う意図ではないかと考えられます。これも文言上はアウトになります。

 コスプレ禁。いや、まさかそんなはずは…。しかしどっかのAVメーカーみたいな人気便乗型もあるのでなんとも言えませんが、常識的に考えてコスプレはフリーだと思います。ただし勝手に自サイトで販売頒布するなってことじゃないかと思ってます。文言上はアウトに近いです。

 あと、

(引用2)ただし、「原素材」や製品イメージを著しく損なうと判断される「二次創作物」の頒布は制限させていただくことがあります。また、公序良俗に反する、若しくは第三者の権利を侵害する「二次創作物」の頒布は許諾いたしません。

 普通に思うだに、これはエロ禁宣言に該当しますが、さすがにここまで大きくなったのには「何が原動力か」をちゃんと理解していることと思います、やり過ぎない限り行使をされることはないと思います。発動権限は向こう側にあるということを自覚して、こっち側も空気読んでればいれば大丈夫じゃないかなーと思います。たぶん きっと おそらく じゃないかな。

 以上の推察根拠としては DTMマガジン1月号の28pに掲載されている見解として

(引用3)「初音ミクというのは公式がメインではない…というと語弊がありますがユーザーさんの間で増殖する変化形態がメインである、という状態が現実的にあるなと考えているんです」

 を参考にしてます。

周囲が盛り上げてなんぼのものというのは、分かっておられる発言だと思います。

 世の中には通報好き、荒らし、炎上好きな人がいるので、あんまり誤解が火を噴く書き方はやめてくださーいというのが、私の意見です。

ボーカロイドの場合は、創作者を萎縮させないようにシンプルに

 「弊社創作物の個人の範疇とする二次創作の頒布には一切の制限を行っていません。ただし法令に触れる物は除きます」

 で、いいんじゃないかと思います。

|

« ヘアスプレー | トップページ | スーパーメガウェンディーズ »

オタク考察」カテゴリの記事