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なぜ、タレントキャストが駄目なのか

 続、劇場版ザ・シンプソンズ問題。

 どうも噂に聞くところによると、興行収入全米一位にあわてふためいて、泥縄式にてこ入れを行おうとしたのが原因なんだとかかんとか。映画本編云々よりも「話題作りが出来ればいいキャスト優先」となったのも頷けます。

 何故、ここまでファンが激しく拒否反応を示しているかの分析もないまま、タレント版吹き替えを強攻したところで「ファンに見放された素人だまし映画」という認識しか残らないと思うのですがどんなもんでしょう。

 どうしてタレント版が悪いのか? 感情論にならずこれをもうちょっと真面目に考えてみたいと思います。

1.声質があっていない。TV吹き替えと原語版を聞き比べても、日本語(大平)版はオリジナル声質の再現に力を入れているのは明白で、Dan Castellaneta(オリジナル声優)に近い声もさることながら、大平氏独特ともいえるユーモラスな「ドスのきいた高音」がホーマー・シンプソンに魂を入れているとも言えます。所氏の番組はよく見てますが、基本高音域の人で「喋っていることに説得力がないのが持ち味」ゆえに、大平氏のスーパーマンよろしく、トイ・ストーリーのヒーロー、バズ・ライトイヤーを鑑みても、完全なミスキャストと言えます。

 マージの一城みゆ希さんは、喜怒哀楽でバランスが保てるところが魅力で、和田アキ子女史の場合、どちらかというとダミ声気味の原語に近いイメージがあり、演技力もあるとは言えますが、バートを叱責するなど極端な行動の高音域が出なければタダ陰湿なしかり方になってしまいます。ミスキャストというか和田女史の演技力次第。

 バートの堀絢子さんは、古くは(新)オバケのQ太郎など国民的とも言われた人気番組の声優で、愛らしさと憎めなさを兼ね備えています。大平氏の「ドゥ!」と、堀さんの「アイカランバ!(スペイン語でOh my GOD!の意)」という決めセリフがあってこそ、ファンはシンプソンズに満足するのだと言えます。これが「長男」というイメージだけで田村淳氏になるわけですから、ミスキャストにも程があります。10歳ぐらいの少年ボイスを33歳の男性タレントにやらせようというのは無謀というか、ただ単に馬鹿だとしか言いようがありませんアイカランバ!

 リサの神代知衣さんも知性とやんちゃさの出せる名優といえるでしょう。「おぼちゃまくん」でも人気のあった声優です。ベッキー女史の声は快活な街娘といった感じで、知性的ですぐに何かを見失ってしまうリサを演じるのは、正直荷が重すぎるかと。むしろリサをいじめる役なら似合いそうですが。

2.演技力がない タレント声優の決定的な問題点で、かって話題作りで連れてこられたタレント声優はほとんどが、台詞棒読みというていたらくであり、今回の劇場版も収録エピソードを聞く限り、演じる側も使う側もイライラした様子に感じます。演技的に完璧であれば、少々の違和感もストーリーがカバーしてくれますが、ミスキャストで演技最低ならどうにもなりません

3.キャラクターを理解していない ここが一番のポイントで、台詞が過去の言動、エピソードにリンクさせてあっても、ニュアンスが通じなければ意味がありません。演技指導にも限界があるわけで、完璧にこなせる声優をさしおいて「限界はここまででした」なんてものは見たくもありません。

 伝え聞くところによると「トランスフォーマー」でも同様の事が行われていたのですが、さすがに訳知りの人間が必死になって説得して、せめて玄田氏だけでもとの折衝があったと聴きます。

 この先、シンプソンズファンとの和解があるとすれば、「オリジナル声優版の公開(最悪DVDでの完全収録)」とひきかえに、シンプソンズファンはその忍耐力に応じて、新吹き替えを攻撃するのを控える。と言ったとこでしょうか。

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